20191105川越

ホテルからタクシーで家に向かう。

父は朝からブレーカーが落ちて、

攻撃されたと言っていた。

 

寒い朝で、クーラー(の暖房)を入れて、

さらにお茶を入れるために電気ポットを

使っていたそうだから、そのせいと思う。

私がやんわりそう言うと、そういうことも

あるかも知れないな。と言う。

 

でもきっとしばらくすると

やっぱり攻撃だって言いそう。

 

10時までに来てくれと言われてたけど、

ギリギリ10時に病院へ着いた。

 

土曜に話したのと同じような内容を、

先週と同じ、副院長に話す。

やっぱり入院しましょうか、と言われる。

いやでも準備があるから明日にする、

鍵がかかるような病棟へは入院したくない、

などと抵抗する父を、ちょっと水分の

点滴もさせてくださいね〜

と優しく看護師2人で連れて行く。

俺は物じゃないぞ、と父の捨て台詞。

いいこと言う、と思う。

 

ごめんと思いつつホッとしていると、

娘さんは残ってくださいと言われ、

入院の説明をいろいろ受ける。

怒涛の説明にクラクラする。

本人が同意していないので、

医療保護入院にあたると言われる。

そこら辺は自分でも調べていた。

入院させてくれて良かったと心底思う。

 

持ち込める物は、これまた制限が多い。

ひととおり説明を聞いて、書類にサインし、

病室の父に声をかけてから、

荷物を用意しに病院を出る。

父は荷物を準備して明日入院する!

と言って怒っていたが、

家族の私が今日しかいないから

明日ではダメなんだよ、と言う。

 

コンビニで飲み物を買い、駐車場で電話して

飛行機のチケットの時間を遅らせる。

一度家に戻り、すべき事を整理する。

持ち物と、入院中の手配の連絡先。

考えても焦りと緊張で考えがまとまらない。

とりあえず目についた物を袋に入れる。

新聞や生協や牛乳配達の連絡先を探す。

探しながら見つけた、父の友人の手紙と、

3日前に渡した子供からの手紙も持つ。

 

足りない物をしまむらとドラッグストアと

スーパーと100均で買い集める。

一息ついて、喫茶店で昼飯を食べる。

途中、近くに住む親戚にも電話しておく。

 

病院に戻り、こんなところへ

入れやがってと悪態をつく父を横目に、

持ち物に名前を書いて棚に収める。

お茶とおやつは詰所に預ける。

鍵のかかるロッカーに父の貴重品を入れて、

鍵を父に渡す。

 

心配そうな父を、こちらも心配だけど

そんな顔はできないのでなんでもない顔で、

ちゃんと薬を飲んでちゃんと寝てね。

と別れる。

 

車を家に戻し、タクシーを呼んで帰った。

家の鍵も車の鍵も全部持ってきた。

途中あちこちに連絡して、

入院中は配達しないようお願いする。

雨戸は閉め忘れ、

電気ポットの電源は抜き忘れた。

だけどできることはやった。

と自分に言い聞かせながら札幌に戻った。